テーマ別経営ノウハウ24

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
お客様の心をつかむ販売力の強化法
8.お客様の購買心理をとらえたアイドマの法則 
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

販促政策について、販促には次の4つの方法があります。

◆広告  ◆パブリシティ ◆人的販売  ◆狭義の販売促進


これらの販促を企画するにあたっては、顧客心理を理解することが非常に
重要です。お客様の心を捉えられない販促では、いくら数を打っても成功
することはできないでしょう。


お客様の購買心理を分析したものとして、アイドマ(AIDMA)の法則があ
ります。AIDMAとは下記の単語の頭文字をとったものです。

A:Attention(注意)
I:Interest  (興味)
D:Disire  (欲求)
M:Memory (記憶)
A:Action  (行動)


お客様が商品やサービスを購入する時、
注意→興味→欲求→記憶→行動
という心理過程を経て購入するという考え方です。


一例をあげますと、JR西日本の新大阪駅の改札口前に豚まん屋さんが
あるのですが、私はそれが大好きでよく買って帰ります。


そのお店はいつも人が行列をつくっています。


初めて買った頃のことを思い出してみると、最初は、
「このお店はたくさんの人が並んでいるなあ」
と注目して見ていました(注意)。


何回かお店の前を通っても、いつも人が並んでいます。
「このお店には何が売っているのだろう。」
と思い、立ち止まってお店をのぞくと豚まんを売っていました(興味)。


さらに、お店に近づくと、豚まんのほんわかとした香りが漂ってきます。
「美味しそうな豚まんだなあ。一つ買ってみようかな。でも、もうすぐ電
車が来る。あ〜仕方がない、今日はあきらめよう。」
後ろ髪を引かれる思いで電車に乗ります(欲求)。


家に帰っても、お店の前で並ぶ人の光景や、ほんわかとした香りが忘
れられません。
「本当にいつも人が並んでいるなあ。そんなに美味しいのかなあ。」
と思い出してしまいます(記憶)。


数日後、またお店の前を通りました。
「今日こそは、絶対に買って帰るぞ。何個買おうかな。一個だけでは
恥ずかしいし。よし!家族の分まで買って、皆で豚まんをたべよう。」
やっとの思いで決心し、豚まんを買うことができました(行動)。


このように、アイドマの法則はお客様の購買心理の過程をよく分析し
ています。販促を実行するにあたっては、この法則を知っていると大
変便利です。


なお、この法則の他に、AIDMAモデルから「記憶」を省いたAIDAモ
デルや、AIDAモデルの「欲求」と「行動」の間に「確信」を入れた
AIDCAモデル、さらに「行動」の後に「満足」を加えたAIDASモデル
などもあります。


アイドマの法則を利用すると、販促活動を非常に効果的に進めること
ができます。私も販促は、必ずこの法則にのっとって、企画を考えてい
ます。


 

 


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
お客様の心をつかむ販売力の強化法
9.アイドマの法則を利用した販売促進 
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

販促政策について、お客様の購買心理を分析したものとして、アイド

マ(AIDMA)の法則があります。AIDMAとは下記の単語の頭文字を

とったものです。

A:Attention (注意)
I:Interest    (興味)
D:Disire   (欲求)
M:Memory  (記憶)
A:Action  (行動)


今回は、アイドマの法則を利用した販売促進について、説明をします。


アイドマの法則から、お客様には、まだ商品を買っていないが商品を知っ
ている潜在顧客と、実際に商品を買って頂いた顕在顧客がいることがわ
かります。


商品を買ったことがあるかないかに基づいて、お客様を次のように分類す
ることができます。

認知客 (Awareness)
記憶客 (Memory)
試用客 (Trial use)
使用客 (Usage)
愛用客 (Loyal use)


お客様には、まず商品・サービスの存在を知った認知客と、その存在を
忘れないで記憶している記憶客がいます。これらのお客様はまだ商品・
サービスを購入したことのない潜在顧客です。


そして商品・サービスを購入したことのあるお客様として、試しに購入し
た試用客、リピート客としての使用客、さらにその商品・サービスを愛用
する愛用客がおられます。


これらのお客様を、それぞれの頭文字をとって、アムツール(AMTUL)
と憶えておけばいいでしょう。


ターゲット顧客を絞り込み、その顧客に対して販促を行う時、ターゲット
とするお客様が認知客なのか使用客なのか顧客分類ができれば、販
促活動を効果的に実施することができます。


例えば、自社商品の存在を広く潜在顧客に知ってもらいたい時や、潜
在顧客に対してインパクトのあるキャッチコピーや製品デザインをアピー
ルして、その商品を憶えてもらいたい時、つまり認知客や記憶客を増
やしたい場合は広告宣伝などのプル戦略が効果的です。


一方、一度買ってもらったお客様に対してリピート購買を促すためには、
さらにお客様を深く知り、そのニーズや困り事を解決できる商品やサー
ビスを提案することが必要です。


従って、試用客、使用客、愛用客のリピート購買を促進するためには、
人的販売などのプッシュ戦略が有効になります。


大企業では、プル戦略とプッシュ戦略をターゲット顧客ごとにうまく使
い分けています。


一方、中小企業では、人的販売に頼り過ぎるきらいがあります。しか
し、認知客や記憶客を増やしたい時に、営業パーソンが潜在顧客1件
1件を訪問して自社商品を紹介することは非常に非効率です。


DMやチラシ、広告をうまく利用して、自社商品を紹介した方がはるか
に効率的です。


費用面で考えても、人件費は一番高くつく固定費です。例えば、営業
パーソン一人分で年間数百万円の広告宣伝費を使うことが可能です。


今後は、中小企業といえども人的販売ばかりに頼るのではなく、広告
宣伝などプル戦略をもっと多用すべきだと思います。


これからは、プル戦略とプッシュ戦略をうまく組み合わせる営業が必要
です。


そうなると当然、販促企画力が重要になります。従って、お客様のいい
なりになる御用聞き営業や、値段を下げてしか商品を売れない営業パ
ーソンは、これからは必要なくなるでしょう。


必要なのは、お客様のニーズを感性よく汲み取り、タイミングよくお客様
の欲しいものを提案できる企画力のある営業パーソンです。


一人の優秀な販促企画者がいれば、広告宣伝やDMと人的販売をうま
く絡み合わせた営業活動が可能になります。成熟市場の中で効果的な
販促活動を行っていくためには、他社より一味違った企画を継続して提
案し続けなければなりません。


これからは10人の御用聞き営業パーソンより、一人の販促企画者が必
要です。


 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
お客様の心をつかむ販売力の強化法
 10.こんな販促企画がヒットした!
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

アイドマの法則を利用した顧客分類として、アムツール(AMTUL)があり

ます。


アムツールでは、商品を買ったことがあるかないかに基づいて、お客様を
次のように分類します。

認知客 (Awareness)
記憶客 (Memory)
試用客 (Trial use)
使用客 (Usage)
愛用客 (Loyal use)


今回は、アムツールを利用した販促企画のヒット事例を紹介します。


(1)認知客→記憶客→試用客へステップアップする販促企画

販促を実施するためには、ターゲット顧客はどんなお客様で、そのお客様を
どのレベルにステップアップさせたいのかを明確にしなければなりません。


自社商品を知らない潜在顧客に対して、一度その商品を購入していただくた
めには、まずその商品の存在を知ってもらい(認知客)、そしてそれを忘れな
いように記憶してもらう(記憶客)、最後に試しに一度買って頂く(試用客)と
いう購買プロセスをたどります。


例えばテレビCMの場合、テレビで紹介することで商品を知ってもらい、さら
に何度もCMを流すことでその商品を記憶してもらう、そしてお店に入ったとき
にその商品があれば試しに一度買って頂きます。


ただ、このようなステップを一歩一歩踏んでいくことは、かなりの時間と費用
がかかり、中小企業では負担が大きすぎます。


そこで、時間と費用を有効に使うために、認知客から試用客へと一挙にステッ
プアップする方法があります。その事例を紹介します。


*大切な人への贈り物キャンペーン

佃煮を製造する元気食品(仮称)は、地元の特産品を佃煮に加工し、それを通
信販売で売る事業を始めました。


発売当初は売上が順調に伸び、固定客もかなりつきました。ところが、発売後
2年を経過する頃から売上げが伸び悩み、固定客の数も横ばいの状況が続い
たのです。


元気食品では、いきなり固定客を増やすのではなく、その前段階として、まず
自社商品を試食していただく試用客を多数つくることが必要であると判断しま
した。


そこで、社内の販促関係者を集め、数回にわたって討議を重ねました。


その結果、採用されたアイデアが「大切な人への贈り物キャンペーン」だったの
です。


キャンペーンで贈り物をする場合、普通は応募者本人に贈ります。それではあ
りふれていて、インパクトがありません。そこで本人ではなく、大切だと思う人に
贈り物を送ろうというアイデアが出てきたのです。


この企画はさっそく実施され、これまで2回以上購入頂いたお客様に、DMを発
送しました。DMの内容は次のようなものです。


《あなたの大切な人へ!》

あなたの大切な人をお一人選んで下さい。
その人にもれなくメッセージを添えて元気食品の佃煮セットをプレゼントします。

 ◆大切な人へのメッセージ  *どれかひとつお選びください
 □お変わりございませんか? 私の地元名産品を一度お召し上がりください。
 □いつもお世話になりありがとうございます。旬の味をご賞味ください。
 □お元気ですか? ○○が美味しい季節になりました。ご家族でお召し上がり
   ください。
 □上記以外のメッセージを希望される場合は、こちらにご記入ください
  (                                            )

◆あなたの大切な人
 住   所:
 氏   名:
 電話番号:

 

キャンペーンの結果はかなり好評で、DMをお送りしたお客様の4割から応募が
ありました。キャンペーンを数回実施することで、元気食品はかなりの試用客を
獲得することに成功しました。


さらにもう一つ事例を紹介します。


*10万本達成記念「お試しキャンペーン」

自社商品を認知から記憶、そして一挙に試用へともっていく企画として「お試し
キャンペーン」が有効です。


この方法ですと購買の敷居が低くなるので、お客様に安価な価格で気軽に購入
していただけます。


また、このキャンペーンは通常期間限定ですので、継続して安売りする必要が
ありません。


ただし、最近はこの手の企画が多発しているので、ただ単なる「お試しキャンペ
ーン」ではお客様に注目して頂けません。プラスアルファのインパクトが必要です。


園芸用品を製造販売するリッチガーデン(仮称)は、家庭園芸用の虫除け液を開
発し販売しました。売れ行きは好調で、予想よりかなり速いペースで目標販売数
の10万本を達成しました。


リッチガーデンは、ここで波に乗って、一挙に販売拡大を行うことが必要だと考え
ました。


そこで、担当者の間でいく通りも企画が練られました。何回か討議を重ねた結果、
「お試しキャンペーン」により顧客層を拡大することが、最も有効であるとの意見で
一致しました。


しかし、なぜ「お試し」なのか、大義名分がなければお客様はキャンペーンに乗っ
て頂けません。


この大義名分をめぐって再び議論が繰り広げられました。お客様を引き付けるイン
パクトは何かということに議論が集中した結果、発売後10万本達成を記念して、
キャンペーンを実施してはどうかとの意見が出ました。


10万本という数字はインパクトがあり、しかも、10万本売れる商品はどんな商品
だろうと、お客様も興味を持って頂けそうです。


さっそくこのアイデアが採用され、通常より小さなサイズをお試しサイズとして、お
一人様3本以内の限定で割安な価格で販売することにしました。


「10万本達成記念キャンペーン」のキャッチコピーをつけたPOPを作成し、得意先
小売店にキャンペーンを提案したところ、非常に多くのお店で採用して頂きました。


キャンペーンは大成功し、お試しサイズは予定より早く完売できました。その結果、
その後も順調にその商品の販売拡大が続いたのです。


 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
お客様の心をつかむ販売力の強化法
11.試用客→使用客→愛用客へステップアップする販促企画
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

前回は、アムツール(AMTUL)を利用した販促企画のヒット事例として、
「大切な人への贈り物キャンペーン」や「10万本達成“お試しキャンペーン”」
を紹介しました。


今回はさらに、
「試用客→使用客→愛用客へステップアップする販促企画」
の事例を紹介します。


前回の事例のように、「認知客→記憶客→試用客へステップアップする販
促企画」では、広告宣伝やパブリシティなどのプル戦略が有効です。


しかし、試用客を使用客、さらに愛用客へステップアップするためには、人
的販売が威力を発揮します。


もちろん広告宣伝やパブリシティなどのプル戦略によってもステップアップ
は可能ですが、人と人との関係を通じて本当の信頼関係を築くことが大切
です。


人的販売により信頼関係を築くためには、お客様の売上アップに貢献でき
る提案を行うことや、お客様が困っていることを解決したり、お客様に喜ん
でいただけることを行うなど、お客様のかゆいところに手の届く気配りが必
要です。


つまり、人的販売では営業パーソンのサービス力が、他社との差別化をは
かる付加価値ポイントになります。


もちろん、信頼関係の前提としては、商品の品質、納期のスピードなど、人
的販売以外の基本的要素がしっかりしていなければなりません。


ここで、事例を一つ紹介しましょう。


*得意先小売店の売り場をまるごと任され売上アップが実現!

焼酎を製造販売する南海酒造(仮称)は、メーカーでありながら、自社製品
の品質向上・おいしさの追及だけにこだわりを持っている会社ではなく、製
品の販売にもかなり注力しています。


同社の営業パーソンは営業スキルが高く、得意先から厚い信頼を得ていま
す。


もともとは、品質や味など製品のこだわりだけを追求している会社でした。


ところが得意先小売店のバイヤーが焼酎の本当のよさを理解していなかっ
たり、それを正しく消費者へ伝える売り方をしていないケースがよくあります。


これではいくらいい製品をつくっても、そのよさが消費者に伝わりません。


そこで、「焼酎のよさを本当に理解しているのは、われわれ焼酎メーカーであ
る」との自負のもと、
「焼酎のことなら何でもわが社にお任せください。商品説明から売り場づくり、
販促企画まで何でもご支援いたします。」
とのキャッチフレーズで顧客支援に乗り出しました。


同社の直接のお客様は酒類卸ですが、小売店段階で商品が回転しなけれ
ば、いくら卸売段階で販売攻勢をかけてパイフを太くしても、その先で目詰ま
りを起こしてしまいます。


従って、小売店の販売支援に積極的に乗り出したのです。


もちろん、卸業者との信頼関係を損なうことはできませんから、彼らの理解を
得た上で実施されたのです。


当初はノウハウがなく試行錯誤を重ねましたが、販促企画担当として思い切
って若手を登用し、商品説明のためのPOP、季節感ある売り場づくり、焼酎を
美味しく飲むための各種景品付き販促キャンペーンなどを次々と提案していき
ました。


このような提案を継続して行うに従い、小売店との信頼関係が深まってきたの
です。


小売店にとって、商品の売り場づくりや販促企画を考えることは、頭の痛い問
題です。焼酎に関する知識も焼酎メーカーほど詳しくはありません。


メーカーがタイムリーで適切な売り場づくりやPOP、販促キャンペーンなどを提
案してくれれば、これ以上心強い味方はないわけです。


このようにして、焼酎の売り場を南海酒造に任せる小売店が増加してきました。


このような段階にくると、他社との価格競争に巻き込まれることはありません。
しかも自社製品をいい場所に置くことができるため、売上も増加します。


南海酒造は、小売店の売り場づくりの支援を継続的かつタイムリーに行ってい
くことによって、安定した収益を上げるようになったのです。