テーマ別経営ノウハウ25

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

お客様の心をつかむ販売力の強化法
 12.コピーはお客様の感性に訴える!
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

販促を実行するためには、インパクトのある訴えをお客様にしていかなけ

ればなりません。

 

ところで、我々が行動を起こす場合には、何故その行動をとるのか、必ず
理由があります。もし、理由もなしに行動を起こせば夢遊病者です。


では、お客様が、何か商品を「買う」という行動を起こされる場合はどうで
しょう。


この場合も、何故その商品を買うのか、必ず理由があるはずです。これが
購買動機です。


この購買動機はお客様の心の中から、自然発生的に生まれるのでしょ
うか。


マーケティング・スキルが発達した今日では、多くの場合、売る側がお客
様に購買動機を与えています。


その時の動機の与え方ですが、例えば、日本酒をお客様に購入して頂き
たいとします。今日では ビールやワイン、さらに焼酎に押され、日本酒は
年々販売量を減らしています。


その結果、「日本酒は売れない!」と決めつけてしまいます。


はたして、本当にそうなのでしょうか。日本酒が売れないのは、お客様に
商品を買う理由を与えていないからではないでしょうか。


例えば、こんな売り方をすれば、お客様は日本酒を購入されるでしょうか。


「日本酒は、米を発酵させて作る醸造酒で、日本の伝統的な酒の一つで
す。

日本酒の主な原料は、米と水と麹(米麹)ですが、それ以外にも酵母、乳
酸菌など多くのものに支えられて日本酒が醸造されています。

日本酒は原料を発酵させてアルコールを得ます。しかし、ビールはワイン
と違い、原料に糖分を含まないため、糖化と発酵を並行して行う工程があ
ることが大きな特徴です。

並行複発酵と呼ばれるこの日本酒独特の醸造方法が、他の醸造酒に比
べて高いアルコール度数を得ることができる要因になっています。

皆さん、日本人なら日本酒を飲みましょう!」


こんな理屈っぽい、押しつけの説明では、誰も買わないでしょう。


人間は理性よりも感情で動く動物です。いくら理性で理解できても、感情
で納得できなければ、絶対に行動に移しません。


従って、お客様に商品を買って頂くためには、お客様に感情移入して、そ
のニーズを明らかにし、お客様の感情を動かさなければなりません。


そのアピールポイントがお客様の琴線に響き、「買おう!」と思われるの
です。


私の知っている酒屋さんで、日本酒を非常によく売るお店があります。
このお店にはこんなポップがあります。


曇った窓ガラスに 
ぐつぐつ煮える鍋料理
熱燗の日本酒をぐいっと一口飲めば
心やすまる温もりが
疲れた体を癒します


こんな感性豊かなコピーを読めば、思わず日本酒が飲みたくなります。


お客様が買ってくれない場合、
「商品が悪いから」
と決めつけるのは早合点です。


まず、「どうして思った通りの行動をとってくれないのだろう?」と問う
べきです。


そのためには、お客様にどういうステップを経て、「買う」という行動ま
でたどり着いてもらうのか、そこに至るまでのお客様の1つひとつの
行動を考えて、実際にそう行動してもらえるように働きかけていくこと
です。


そして、お客様が思ったような行動をとらなかった場合、どこに問題
があったのか、具体的には、AIDMAのうち、A(注意)かI(興味)か
D(欲求)かM(記憶)かA(購買)のどこに問題があるのかを明確に
し、当初予定した行動をとって頂くように、お客様の感性に訴えるの
です。

 

 

 


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
お客様の心をつかむ販売力の強化法
13.インパクトの強いキャッチコピーの創り方(1)
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

キャッチコピーは、お客様の感性に訴えることが必要です。


人間は理性よりも感情で動く動物です。いくら理性で理解できても、感情
で納得できなければ、絶対に行動に移しません。


従って、お客様に商品を買って頂くためには、お客様に感情移入して、そ
のニーズを明らかにし、お客様の感情を動かさなければなりません。


今回は、キャッチコピーを創る方法を説明します。


言葉には「強い言葉」と「弱い言葉」があります。「強い言葉」には、以下
の3つのタイプがあります。

●インパクトのある言葉
●イメージしやすい言葉
●響きがよい言葉


これらのお言葉は、お客様に商品を買わせる力があります。


反対に「弱い言葉」は伝達力が弱く、ありきたりな表現で、商品価値が
相手に伝わりづらい言葉のことです。


例えば、「強い言葉」と「弱い言葉」を比較すると、次のようになります。

●弱 い 言 葉  ●強 い 言 葉
 ・安い                   ・激安
 ・キレイ                 ・チョー美人
 ・痩せる                ・1週間で10kg
 ・豊富            ・なんと100種類
 ・人気がある          ・人気投票No.1
 ・おすすめ              ・社長のイチオシ


では、どのようにしてインパクトのある「強い言葉」を創ればいいのでしょ
うか。ここでは、具体的な事例をあげて説明をします。


お正月ももう明けましたが、皆さんはおせち料理を食べられましたか?


私が以前コンサルティングをしていた会社におせちのメーカーがありまし
た。この会社は冷凍技術に独自のノウハウを持っており、通常、冷凍食
品を解凍すると食品に水がまわり、べたべたとした食感になりますが、
同社は、解凍しても食品がべたべたしない冷凍技術を開発しました。


当時は、お正月に食べる「おせち」のマーケットが拡大していました。世
帯の少人数化と、おせちを作る手間隙から開放されたいという消費者ニ
ーズに、合致したことがヒットの要因だったのです。


ところが、おせちを作るメーカー側の事情からいえば、商品を年末の30
日から31日に消費者の所へ届けなければなりません。


おせちは食品なので、当然作りだめは出来ません。商品の品質劣化を
防ぐためには、短期間で大量の商品を作らなければなりませんでした。


しかし、そうすると商品を作る量に限界が生じ、年末の大量注文に応じき
れなくなります。


このようなマーケットの状況に注目した同社は、自社の冷凍技術を利用
すれば、このマーケットに参入しても十分勝ち目があると判断しました。
おせちを冷凍して作りだめをしておけば、大量注文に応じても必ず納期
には間に合わせることができます。


同社は、「解凍後べたべたしない冷凍技術による、おせちの大量安定
供給」というコンセプトで同市場に参入したのです。


市場参入後、売上は急拡大しました。


同社の技術は、直接消費者からおせちの注文を受ける百貨店、大手ス
ーパーなど流通業者にとって非常に好都合だったからです。短期間に
大量のおせちを、安定した品質で供給できるメーカーを流通業者は待ち
望んでいたのです。


この会社の事例を基にして、キャッチコピーの創り方を説明しましょう。
ポイントは以下の5点です。

1.伝えたい言葉を全部書き出し、訴求ポイントを整理する
2.ターゲット顧客を明確にする
3.ターゲット顧客のニーズ、お困りことをにする
4.キャッチコピーとなるキーワードを列挙する
5.キャッチコピーを創る


 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
お客様の心をつかむ販売力の強化法
 14.インパクトの強いキャッチコピーの創り方(2)
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

前回から、キャッチコピーを創る方法を説明しています。


キャッチコピーを創るポイントは以下の5点でした。

1.伝えたい言葉を全部書き出し、訴求ポイントを整理する
2.ターゲット顧客を明確にする
3.ターゲット顧客のニーズ、お困りことをにする
4.キャッチコピーとなるキーワードを列挙する
5.キャッチコピーを創る


これら5点の説明を、前回同様、「おせち料理」メーカの事例を通して行い
ます。


この会社は冷凍技術に独自のノウハウを持っており、通常、冷凍食
品を解凍すると食品に水がまわり、べたべたとした食感になりますが、
同社は、解凍しても食品がべたべたしない冷凍技術を開発しました。


当時は、お正月に食べる「おせち」のマーケットが拡大していました。世
帯の少人数化と、おせちを作る手間隙から開放されたいという消費者ニ
ーズに、合致したことがヒットの要因だったのです。


ところが、おせちを作るメーカー側の事情からいえば、商品を年末の30
日から31日に消費者の所へ届けなければなりません。


おせちは食品なので、当然作りだめは出来ません。商品の品質劣化を
防ぐためには、短期間で大量の商品を作らなければなりませんでした。


しかし、そうすると商品を作る量に限界が生じ、年末の大量注文に応じき
れなくなります。


このようなマーケットの状況に注目した同社は、自社の冷凍技術を利用
すれば、このマーケットに参入しても十分勝ち目があると判断しました。
おせちを冷凍して作りだめをしておけば、大量注文に応じても必ず納期
には間に合わせることができます。


同社は、「解凍後べたべたしない冷凍技術による、おせちの大量安定
供給」というコンセプトで同市場に参入したのです。


市場参入後、売上は急拡大しました。


同社の技術は、直接消費者からおせちの注文を受ける百貨店、大手ス
ーパーなど流通業者にとって非常に好都合だったからです。短期間に
大量のおせちを、安定した品質で供給できるメーカーを流通業者は待ち
望んでいたのです。


1.伝えたい言葉を全部書き出し、訴求ポイントを整理する

まずは、売る側の事情です。売る側が訴えたい言葉を全部書き出し、
訴求ポイントを整理します。


事例としてあげた「おせち料理」では、次のような訴求ポイントを抽出す
ることができます。


●大量注文に対応できる
●解凍後ベタつかない
●解凍後も鮮度が劣化しない
●配送時に商品が劣化する心配がない
●確実に年内にお届けできる
●おいしい
●大量生産ができるので、安い
●ご要望に応じ、数種類のおせちができる
●長期的な計画生産により、ミスのない商品が供給できる


2.ターゲット顧客を明確にする

さて、どの点を重点的に訴えると効果的でしょうか。言い換えると、よく
売れるでしょうか。


そこで考えるべきは、どんな相手に訴えるのか、そしてその相手はどん
な状況にあるのか、ということです。


例えば、男性と女性ではニーズも異なるし、訴え方も変えなければなり
ません。また、年齢では10代と50代では、趣味やライフスタイルも全
く異なります。


このように、ターゲット顧客を明確にすることは極めて大切です。しかし、
現実では、ターゲットが曖昧なまま、キャッチコピーを作られる方が実に
多いのです。


今回のおせちのターゲットとしては、おせちを実際に食べられる末端消
費者ということも考えられます。その場合のニーズは、おいしい、安い、
たくさんある、などが優先順位の高いニーズになるでしょう。


しかし、ターゲットとして捉えるべきお客様は、商品を直接に販売するお
客様です。従って、おせちのメーカーが直接販売するターゲット顧客とな
れば、百貨店、スーパー、通信販売業者などです。


3.ターゲット顧客のニーズ、お困りことを明確にする

お客様を明確にしニーズを抽出すれば、「こんなニーズがあるでしょ」と、
お客様に感性で訴えなければなりません。


お客様の頭の中で考えている言葉が、キャッチコピーによって改めてイ
ンプットされると、お客様は敏感に反応します。


おせちを販売する百貨店、スーパー、通信販売業者にはこんなお困り
事やニーズがあるでしょう。

●大量注文に対応できるメーカーがない
●生ものなど、商品が腐る心配がある
●輸送中に商品が破損・劣化する心配がある
●年末に消費者へ確実にお届けできることが絶対に必要
●年末に一気に商品を作ってもらわなければならないので、きめの細
 かい注文を出すことができない
●おいしい商品を安く買いたい


4.キャッチコピーとなるキーワードを列挙する

売る側の訴求ポイントと、買う側のニーズ・お困り事が明確になれば、
両者を結びつけるキーワードを列挙します。このことによって、お客様
の感性に響く、インパクトの強いキャッチコピーが生まれるのです。


今回の事例では、次のような言葉がキーワードとしてあげられるでし
ょう。

●大量注文
●腐らない
●おいしい
●年末に確実にお届けできる


5.キャッチコピーを創る

いよいよキャッチコピーに仕上げる段階です。さっき書き出したキー
ワードを足したり掛け合わせたり、引いたり割ったり、いろんなレト
リックを駆使してみましょう。


ここでは、キーワードからいろいろな言葉を連想し、言葉遊びを楽し
むことが大切です。


◆不可能を可能にした新冷凍技術 
 大量注文OK! 解凍後品質劣化なし! 安い・うまいは当たり前!

◆おせち販売の革命!
 大量生産・解凍後品質劣化なし 新冷凍技術の登場

◆大量注文できます!
 年内に確実にお届けします!
 安心・安全の品質をお約束します!
 その秘密は?  新冷凍技術・・・

◆おせち販売のお悩み解消!
 大量注文できない、品質劣化が心配、こんな不安はもう不要!

◆1億人分のおせち作れます!


以上のように、型苦しく考えないで、思ったことをどんどんキャッチコ
ピーにして下さい。


その中から、キラッと光るコピーが生まれるはずです。

 

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
お客様の心をつかむ販売力の強化法
15.人的販売の担い手、営業パーソンの効果的な営業法
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

今回は、人的販売の担い手である営業パーソンの効果的な営業法につ

いて説明します。


営業パーソンの仕事は大きく分けて次の2つです。


1つは会社が今日を生きていくための仕事です。つまり、自社商品・サー
ビスを販売し今の業績を創ることです。


もう1つは会社が明日を生きていくための仕事です。つまり、新商品、新
サービスの開発のための情報を、お客様を中心として市場から収集し、明
日の業績を創ることです。


しかし、多くの営業パーソンは今日生きるための仕事しかできていません。


営業戦略を展開する場合、既存客をさらに深掘りして売上増をはかるのか、
新規開拓により売上増をはかるのか、あるいは、自社商品・サービスの競
争力が強いため既存の商品・サービスで売上増をはかるのか、既存商品・
サービスの競争力が衰えているため新商品・サービスを開発しなければ
ならないのか、非常に判断に迷います。


その判断を間違うと、既存客に対する販売活動が不徹底なため売上が上
がっていないのに、新規開拓に注力しようとしたり、あるいは、既存商品・
サービスの競争力が明らかに衰えているのに、その商品・サービスでもっ
て、さらに既存客に対する売上増をはかろうとするなど、チグハグな営業
活動を行ってしまいます。


既存客を攻めるべきか、新規開拓を行うべきか、あるいは、既存商品・サ
ービスで攻めるべきか、新商品・サービスを開発すべきかを判断する基準
として、下表の「商品−顧客マトリックス表」を使用すると便利です。

 

 商品−顧客マトリックス表

           既存客             新規客
既 ◆既存客深耕−既存商品・       ◆新規開拓−既存商品・
存   サービス浸透戦略                 サービス浸透戦略
商 ・既存商品・サービスの         ・既存商品・サービスの競争力が
品   競争力が強い                  強く、ライバル他社より競争優位
・ ・既存客に対する売上増が         を確保しているため、新規開拓が
サ  十分期待できる                 十分期待できる
| 【営業活動のポイント】  【営業活動のポイント】
ビ ・信頼関係の強化          ・商品説明のためのセールストーク
ス  ・商品知識の充実         の強化      
  ・提案営業の強化        ・信頼関係の構築  
     
新 ◆既存客深耕−新商品・          ◆新規開拓−新商品・
商   サービス開発戦略                  サービス開発戦略
品  ・既存商品・サービスの競        ・既存商品・サービスの競争力が
・    争力が弱い                      弱い
サ  ・既存客のニーズに合っ          ・潜在客のニーズにあった商品・
|    た商品・サービスを開発          サービスを開発し、販売する
ビ    し、販売する                         
ス   【営業活動のポイント】         【営業活動のポイント】
     ・新商品・サービス開発の       ・新商品・サービス開発のため
       ための情報収集                 の情報収集
     ・商品説明のためのセー         ・商品説明のためのセールス
       ルストークの強化              トークの強化
     ・信頼関係の強化               ・信頼関係の構築 


上の「商品−顧客マトリックス表」のように、営業戦略には、既存客を
攻めるべきか新規開拓を行うべきかで、既存客深耕戦略と新規開拓
戦略が、一方、既存商品・サービスで攻めるべきか新商品・サービス
で攻めるべきかで、既存商品・サービス浸透略路と新商品・サービス
開発戦略があります。