テーマ別経営ノウハウ26

 

 

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お客様の心をつかむ販売力の強化法
16.営業展開に重大な影響を与える“4つの営業戦略”

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営業戦略には、既存客を攻めるべきか新規開拓を行うべきかで、既存客深

耕戦略と新規開拓戦略が、一方、既存商品・サービスで攻めるべきか新商

品・サービスで攻めるべきかで、既存商品・サービス浸透略路と新商品・

サービス開発戦略があります。

  

今回はこれら営業戦略を詳しく説明します。

   

「商品 − 顧客マトリックス表」は既存客−新規客、既存商品−新商品の

組み合わせにより、4つの戦略があることを示しています。自社にとって、

どの戦略が優先順位が高いのか、この表に基づいて判断しなければなり

ません。

   

 商品−顧客マトリックス表

 

           既存客                   新規客

既 ◆既存客深耕−既存商品・       ◆新規開拓−既存商品・

存   サービス浸透戦略                 サービス浸透戦略

商 ・既存商品・サービスの         ・既存商品・サービスの競争力が

品   競争力が強い                  強く、ライバル他社より競争優位

・ ・既存客に対する売上増が         を確保しているため、新規開拓が

サ  十分期待できる                 十分期待できる

| 【営業活動のポイント】       【営業活動のポイント】

ビ ・信頼関係の強化          ・商品説明のためのセールストーク

  ・商品知識の充実         の強化      

  ・提案営業の強化        ・信頼関係の構築  

     

新 ◆既存客深耕−新商品・          ◆新規開拓−新商品・

商   サービス開発戦略                  サービス開発戦略

  ・既存商品・サービスの競        ・既存商品・サービスの競争力が

    争力が弱い                      弱い

  ・既存客のニーズに合っ          ・潜在客のニーズにあった商品・

    た商品・サービスを開発          サービスを開発し、販売する

    し、販売する                         

   【営業活動のポイント】         【営業活動のポイント】

     ・新商品・サービス開発の       ・新商品・サービス開発のため

       ための情報収集                 の情報収集

     ・商品説明のためのセー         ・商品説明のためのセールス

       ルストークの強化              トークの強化

     ・信頼関係の強化               ・信頼関係の構築   

    

判断の手順としては、「既存客深耕 − 既存商品・サービス浸透戦略」が可能

かどうかを検討することから始めるといいでしょう。既存客と既存商品・サー

ビスが最も身近で判断がつきやすいことと、既存客に既存商品・サービスを

販売することが最も効率的であるからです。

  

この戦略を優先的に進めるのは、既存商品・サービスに競争力が十分あっ

て、しかも既存客に対する売上をさらに増加させることができると判断した場

合です。

  

お客様に自社商品・サービスをさらに買って頂くためには、単なる試用客や

使用客から愛用客に発展させなければなりません。そのためには、お客様

との信頼関係をさらに強固にすることが重要です。

  

例えば、納期をしっかり守るだけではなく、納期スピードをよりアップさせる、

あるいは商品の品質をグレードアップするなどです。

  

営業パーソンが提供するサービスも、お客様のニーズや困り事を素早く把握

し、的確にそれに応えられる提案をしていかなければなりません。

  

そのためには、商品知識をさらに高めたり、タイムリーな市場情報を提供する

ことなどが必要です。このような方策を徹底して実行していけば、お客様の信

頼が高まり、さらに売上げアップが可能になります。

  

「既存客深耕 − 既存商品・サービス浸透戦略」を十分に行なって、これ以上

この戦略で売上アップが期待できない場合はどうすればいいでしょう。

  

この時の判断基準は、既存商品・サービスに競争力があるかどうかです。

  

競争力があると判断した場合、例えば、既存商品・サービスが他社と差別化

されていたり価格競争力がある場合は、新規開拓が十分可能ですから、「新

規開拓− 既存商品・サービス浸透戦略」が次の重点テーマになります。

  

その際の営業パーソンの活動のポイントは、まず新規のお客様に自社商品・

サービスの良さを理解して頂かなければなりません。

  

そのためには、「お試しキャンペーン」などの企画を考えるとともに、セールス

トークを徹底的に鍛えるべきです。

  

自社商品・サービスのメリットは何か、それが他社とどう違うのか、それに対

してお客様から予想される反論にはどのようなものが考えられるか、その反

論に対してどう受け答えすればいいのかなどを事前に想定して、セールストー

クを組み立てなければなりません。

  

セールストークをレベルアップさせる最もよい方法はロールプレーイングです。

営業パーソンで最も大事な仕事はお客様の前でしっかりとセールストークが

できることです。特に、新規開拓ではそのことが重要です。

  

さらに、新規開拓ではお客様は当初、営業パーソンやその会社に対して警戒

の目で見ておられます。

  

その警戒を解くためには、お客様との信頼関係を構築しなければなりません。

そのためには、約束をしっかり守る、納期を厳守する、お客様にとってメリット

になることを考え提案するといった、信頼関係のベースになる部分をしっかり

と実践していくべきです。

  

その地道な努力の積み重ねが、お客様を試用客から使用客、さらに愛用客

へランクアップさせる原動力になります。

  

次に、「既存客深耕 − 既存商品・サービス浸透戦略」を十分に行なったけ

れども、既存商品・サービスの競争力が衰えている場合は、重点戦略として

新規開拓に注力してもほとんどが失敗します。

  

新規客には既にライバル企業が入っており、無理をして値下げするなどしな

い限り、容易に新たな取引を開始できないからです。

  

従って、この場合は、お客様のニーズ収集を徹底的に行い、競争力のある商

品・サービスを開発しなければなりません。

  

その際のニーズ収集は、まず既存客から始めるのがよいと思います。既存客

からは容易に情報が取れますが、新規客に対して情報収集をしようとしても、

彼らの本当のニーズをつかみ切れないからです。

  

従って、まず既存客に対して情報収集を行い、彼らのニーズに合った商品・サ

ービスを開発する「既存客深耕 − 新商品・サービス開発戦略」が有効です。

  

この戦略を採る上での営業パーソンの活動のポイントは、既存客から情報を

収集するための仕組みを作ることです。

  

営業パーソンは、通常、売ることに精一杯で、顧客情報の収集にまでなかな

か気が回りません。つまり、「今日食べる仕事」に一生懸命で、「明日食べる

仕事」にまで意識が行かないのです。

  

さらに情報収集の結果、新たな商品やサービスが開発できたなら、お客様に

分かりやすく説明し、その商品やサービスの良さを納得して頂ける、セールス

トークが必要です。

  

そのためにはロールプレーイングによって、徹底的にセールストークを練習しな

ければなりません。そして、お客様に新商品やサービスを説明することによって、

お客様のニーズや困り事を解決できる提案を行なうことです。

  

このような一連の営業活動によって、お客様への「お役立ち」を徹底すれば、お

客様との信頼関係はさらに強化されます。

  

「既存客深耕 −新商品・サービス開発戦略」が成功すれば、次のステップとし

て「新規開拓−新商品・サービス開発戦略」を実施するといいでしょう。

  

新商品・サービスを開発する場合、いきなり新規客へ販売することも可能です。

しかし、いきなり未知のお客様に対して新商品・サービスを売ろうとしても、か

なりの労力と費用が必要です。

  

やはり、まず既存のお客様に対して、新商品・サービスを販売し、その次に新

規のお客様に提案する方が効率的です。

  

従って、この戦略を実施する場合には、まず、ターゲットとなる潜在顧客のニー

ズ収集を行わなければなりません。

  

そして必要があれば、潜在顧客のニーズに合うように新商品・サービスを改良

すべきです。

  

その後は、「既存客深耕 −新商品・サービス開発戦略」と同様に、商品説明

のためのセールストークを磨き、お客様との信頼関係を構築していくことです。