テーマ別経営ノウハウ28

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お客様の心をつかむ販売力の強化法
21.月別顧客情報一覧表
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前回は、「顧客ABCクロス分析表」でお客様のランクごとの基本的攻

略法を説明しました。


それが明確になると、次は重点顧客のニーズ等を情報収集する段階
になります。


重点顧客については、「月別顧客情報一覧表」を毎月作成して、お
客様情報を収集し整理して下さい。


収集すべき情報は業種や業態によって異なりますが、例えば、メー
カーや卸では、以下のような情報を収集する必要があります。


◆お客様のニーズ・困り事

情報の中で最も大事なものといえるでしょう。顧客ニーズを探索する
場合、「どんなニーズがありますか?」と質問するより、「どんなこ
とにお困りですか?」と質問する方が、いろいろな情報が出やすくな
ります。

営業パーソンはお客様のニーズ・困り事に絶えず気を配り、移ろいや
すい顧客心理を的確に捉え、タイムリーな顧客提案を行わなければな
りません。


◆わが社取り扱い商品に対するお客様の売上計画

わが社が取り扱っている商品に関し、以下の情報を収集して下さい。

・売上計画
わが社取り扱い商品に対する売上計画はいくらかを聞き出して下さい。
ただ、お客様によっては商品別に売上計画を立てていないケースもあ
ります。その際は、月次ベースの総売上計画でも結構ですから、聞き
出しましょう。

・お客様が売りたい商品
この時期には、どんな商品を重点に売りたいのか、お客様の重点商品
を明確にして下さい。

・販促計画
お客様が、キャンペーンや特売などの販促計画を立てておられれば、
その情報を早め早めにキャッチして下さい。お客様の販促計画に協力
することも、お客立ちとして必要です。


以上の情報をある程度把握しておかないと、こちらの提案内容が顧客
ニーズにかみ合わないピンボケ提案になります。


ただし、お客様はこれらの情報を簡単に教えてはくれません。教える
ことに対して、お客様のメリットがなければなりません。例えば、情
報を教えれば相談に乗ってくれる、いい提案をしてくれるという期待
感が必要です。


そのためには、日頃からお客様の身になって、売上を上げるにはどう
すればいいのかを考えたり、業績のいい他社事例を研究したりして、
お客様への提案情報を蓄積しておくことが大切です。


◆お客様の在庫状況

お客様の倉庫に在庫がたくさん残っていれば、商品の追加注文は期待
できません。営業パーソンが販売計画を立てるときには、必ず事前に
お客様の倉庫を確認し、自社商品の在庫量をチェックしましょう。

その時、ライバル企業の商品や在庫量もあわせて確認しておけばなお
さらよいでしょう。


◆キーパーソン

キーパーソンとは、商品購入の実質的な決定権者のことです。役職の
高い管理者とは限りません。キーパーソンについては以下の事項を確
認し、密着度を深めなければなりません。

・キーパーソンの氏名と役職
・密着度

密着度は、次のように4段階で分類します。
1:あまり面識がない
2:通常程度の会話ができる
3:密着しており、ある程度の情報を聴き出せることができる
4:非常に密着しており、かなりの情報を聴き出せることができる


◆わが社の商品別粗利益計画

上記の顧客情報を参考にして、何が売れるのかを明確にして下さい。
それをベースに次月の粗利益計画(粗利益が出ないなら売上計画)
を商品別に立案します。その際、前期同月実績も参考にするといい
でしょう。


営業パーソンは毎月の受注ストーリーの構築にあたって、これらの
情報を事前に収集しなければなりません。


毎月コンスタントに業績を上げている営業パーソンは、これらの情
報をかなり的確につかんでいます。しかも、情報収集にあたっては、
こちらから一方的に質問ばかりするのではなく、お客様との雑談の
中からうまく情報を引き出しています。


お客様から情報を得るためには雑談ができなければなりません。そ
して、お客様と雑談をするためには、あらかじめ話題をたくさんス
トックしておくことが必要です。


例えば、お客様の趣味や家族に関する事、社会的なトピックス、あ
るいは商品の売れ筋情報など、お客様が興味を持ちそうなテーマで
あればすべてストックしておくべきです。


情報収集はギブアンドテークが基本です。こちらからも有用な情報
を提供しなければなりません。一方的に質問ばかりしていると、お
客様は身を引いてしまいます。

 

 

 

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 お客様の心をつかむ販売力の強化法
22.重点顧客別取引商品一覧表

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前回は、重点顧客のニーズ等を情報収集し、それを整理するための

ツールとして、「月別顧客情報一覧表」について説明をしました。

  

今回は、それを受けて、重点顧客にどんな商品を提案すればいいのか、

それを考えるために必要な資料として、

「重点顧客別取引商品一覧表」

について説明をします。

  

「月別顧客情報一覧表」で、顧客情報をベースにして、営業パーソン

各自の粗利益または売上計画を立てます。

  

その際、事前に重点顧客別に自社商品の取引状況を整理し、今後さら

に強化すべき商品や、まだ取引のない商品でご提案すべき商品をピッ

クアップし、お客様別に基本方針を立てておくと、よりよい計画立案

ができます。

  

もし、商品数が多くてすべての商品をチェックすることに手間ひまが

かかる場合は、商品群に分類するか、2対8の法則を利用して累積ウ

ェイトが8割になる上位商品をピックアップして、

「重点顧客別取引商品一覧表」

を作成すればよいでしょう。

   

                 【重点顧客別取引商品一覧表】

  

 わが社商品        A社          B社    

(上段:商品名)

(下段:商品単価)  (上段:年間売上額)

           (下段:他社単価) 

 

  a商品         32万円→           34万円↑

   867       a870 b871  a870 b871 c870

 

  b商品                  22万円↑            取引なし

  910       a908 c910    a908 c910

  

  c商品         16万円↑      10万円→

  515       b516 e515    b518 e513

 

    d商品          取引なし      12万円↑

  525       c525 f525  c525 f526 g525

    

この表で、商品の欄には上段に商品名、下段に商品単価を記入してい

ます。

  

重点得意先(表ではA社、B社)の欄には、上段に前期の年間商品別

売上額、下段にライバル他社の商品単価を記入します。

  

他社の商品単価はわかる範囲で記入して下さい。今わからなくても後

日わかれば、そのつど追加記入すればいいと思います。

  

表の記入後は、重点顧客別に、取引商品で今後さらに強化すべき商品

や、まだ取引がないが提案すべき商品を検討して下さい。

  

そして、取引商品に関しては金額の横に矢印を記入します。

  

売上が伸びている商品には「↑」を、横ばいの商品には「→」を、下

降している商品には「↓」を記入すれば、重点商品を絞りやすくなり

ます。

  

商品に関しては、ライバル他社に負けないNo1商品を育成すること

が重要です。競争力の弱い商品をいくら提案しても売上拡大ははかれ

ません。No1商品を育成し、その商品の売上拡大をはかることが、

最も重要です。

 

 

 

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お客様の心をつかむ販売力の強化法
 23.「種まきと刈り取り」のバランスをとる
         〜効果的な新規開拓の方法〜
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会社が長期的に売上を確保しさらに伸ばすためには、「種まきと刈り取

り」のバランスをとらなければなりません。「種まき」とは将来の売り上げ

を確保するための新規開拓のことです。「刈り取り」は既存顧客の深耕

です。


このバランスが崩れて、既存客への営業ばかり行っていると、今日の飯
は食べられても、明日の飯は食べられません。


1ヶ月の行動計画表に新規開拓のターゲットとなる顧客をリストアップ
し、「種まきと刈り取り」のバランスのとれた営業活動を実行しなけれ
ばなりません。


新規開拓を行うには、アムツール(AMTUL)を利用すると効果的です。


AMTULとは次のような顧客分類法です。

Awareness (認知客)
Memory   (記憶客)
Trial use (試用客)
Usage   (使用客)
Loyal use  (愛用客)


新規開拓とは、潜在顧客である認知客や記憶客を試用客にし、一度自社の
商品やサービスを利用していただくことです。


新規開拓の方法として、「飛び込み営業」を行うことがありますが、むや
みやたらに飛び込んでも成果に結びつく確率はきわめて低くなります。


やはり基本にもどって、認知客→記憶客→試用客とステップを踏んで、そ
れぞれのターゲットに合った販促を実施しなければなりません。


お客様をまず、認知客、記憶客にするにはDMや広告などのプル戦略を活
用することが有効です。


そのためには、インパクトのある商品やサービスでもって、お客様の関心
を引きつけることが必要です。どこにでもあるような商品やサービスでプ
ル戦略を実施しても、お客様は見向きもされません。


新たなコンセプトの商品やサービスを投入したり、他社に負けないNo1
商品を育成して、特徴ある商品・サービスを持つことが新規開拓成功のた
めの第一歩です。


DMや広告などで認知客・記憶客をつくれば、そのお客様を試用客にステ
ップアップすることが次の段階です。


例えば、「お試し」キャンペーンを実施し、DMや広告を見て興味を持っ
たお客様に応募して頂く仕組みをつくるなどです。


DMなどで興味を持ったお客様にはアポイントがとりやすくなります。ま
た、いきなり訪問しても、飛び込み営業よりは会って頂ける確率が高くな
ります。


プル戦略後の訪問活動で、初回訪問で取引が成立すればベストですが、普
通はそんなにうまくいかないものです。


この時、最も大事なのは決してあきらめず、取引できるまで粘り強く訪問
を継続することです。粘り強い訪問活動の中でお客様との信頼関係が芽生
えてくれば、必ず取引は開始できます。


新規開拓では本当に取引をしたいお客様を抽出し、いったんターゲットと
して白羽の矢をたてれば、取引ができるまで粘り強く営業活動を続けるこ
とが必要です。


新規開拓には、お客様の興味を引きつける新商品やサービスの開発、ある
いは他社に負けないNo1商品を育成することが必要であると述べました。


ただ現実では、新規開拓先と取引を開始する場合、取引商品として当初案
内した新商品やNo1商品でなく、通常の定番商品から取引を開始する場
合がよくあります。


このようなケースでも、新商品やNo1商品がお客様の興味を引きつけた
から、商談が開始できたのですから、これらが新規開拓の突破口になるの
です。