テーマ別経営ノウハウ30

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お客様の心をつかむ販売力の強化法
28.お客様にとってメリットのある提案をする
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顧客提案力を強化するポイントととして、次の4点をあげることができ
ます。


1.キーパーソンに対する密着度を高め、お客様のニーズを把握する
2.商品知識をしっかりつける
3.お客様にとってメリットのある提案をする
4.セールストーク強化のためのロールプレーイングを徹底的に行なう


今回は、
「お客様にとってメリットのある提案をする」
について説明をします。


提案営業とは、お客様に役に立ちそうなことなら何でもいいから提案す
るのではありません。


いくら提案しても、それがお客様に具体的にメリットになるものでなけ
れば、お客様を引きつけることはできません。


そして、具体的なメリットとは、突き詰めれば、その提案がお客様の売上
アップや利益アップに貢献できることです。


例えば、「こうすれば売上アップにつながりますよ。」とか、「こうコスト
カットすれば利益貢献できますよ。」といった提案です。


ここまでの提案を行おうと思えば、営業パーソン自身がお客様の立場にな
らなければなりません。


その上で、どんな提案をすればお客様に喜んで頂けるのかを、絶えず考え
ておく必要があります。


今後の厳しい競争に勝ち残ろうと思えば、このような徹底した姿勢が必要
です。


提案営業を一人の力で行うことは、労力や時間の上から大変です。これを
効率的に、しかも他社より高いレベルで行うためには、営業部門全体で協
力し合わなければなりません。


そのためには、下表のような「情報収集・提案カード」を作成し、営業パー
ソン間での情報の共有化と、提案の成功事例の共有化をはかることが有効
です。


      「情報収集・提案カード」

1.情報・提案の種類(該当するものに○印をつけて下さい)
 ・お客様情報(ニーズ、困り事、売れ筋、もらった宿題 など)
 ・市場動向(売れ筋商品、他社商品の種類、価格、特性、売り方 など)
 ・お客様のライバル情報(売れ筋商品、価格、特性、売り方 など)
 ・お客様への提案(商品提案、コストカット提案、販促企画提案 など)

2.情報・提案の内容
 (1)どの企業に対する情報・提案か?


 (2)情報の内容


 (3)提案の内容


 (4)誰に対し提案するのか


 (5)提案により得られるわが社のメリット

 

 

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お客様の心をつかむ販売力の強化法
29.セールストーク強化のためのロールプレーイングを
   徹底的に行なう
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顧客提案力を強化するポイントととして、次の4点をあげることができ
ます。


1.キーパーソンに対する密着度を高め、お客様のニーズを把握する
2.商品知識をしっかりつける
3.お客様にとってメリットのある提案をする
4.セールストーク強化のためのロールプレーイングを徹底的に行なう


今回は、
「セールストーク強化のためのロールプレーイングを徹底的に行なう」
について説明をします。


お客様への提案内容が決まれば、それをわかりやすく伝えなければなり
ません。営業パーソンのセールストーク力が問われる場面です。


営業パーソンの仕事で最も大事なことは、お客様の前でしっかりとセー
ルストークができることです。それができなければ、いくら月間活動計
画表を作ったり、営業管理を強化しても、営業パーソンの売上は上がり
ません。


お客様のニーズをしっかりと聴き出し、ニーズに合った商品やサービス
を、お客様に納得して頂けるように分かり易く説明し、最後は、お客様
に喜んで買って頂かなければなりません。


セールストークのレベルを上げることが、営業パーソンにとって最も大
事なことです。


ところが現実をみると、多くの営業パーソンが、いろんな失敗を繰り返
し苦労しながら、自分ひとりの力でセールストークをマスターしようと
しています。


お客様の前でしっかりとセールストークができる、一人前の営業パーソ
ンになるためには、通常、3年から5年がかかります。


その間、自分ひとりで商品知識を身につけ、セールストークの試行錯誤
を続けるのです。


このように、時間をかけて営業パーソンを一人前にすることは、効率面
で非常にムダがあるのではないでしょうか。


営業パーソンがその後、戦力になってくれればまだしも、苦労してせっ
かく一人前にしても、退職されては何にもなりません。


もし、他社が3年から5年かけて営業パーソンを一人前にするところを、
自社では1年で一人前にできれば、非常な強みになります。


そのためには、会社の方で、営業パーソンの商品知識を高め、お客様の
前でしっかりとしたセールストークができる仕組みを作ることが必要で
す。


私は、その仕組みづくりで最も有効なのがロールプレーイングだと考え
ています。


会社の説明、主力商品の説明、お客様との効果的な雑談法など、継続的
かつ徹底的にロールプレーイングを行なえば、営業パーソンのセールス
トーク技術は早急に高まります。

 

 

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お客様の心をつかむ販売力の強化法
30.セールスの基本は自己説得!
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営業パーソンは、セールスといえば、「うまくお客様を説得することだ」
と考えていないでしょうか?


そのために、ああ言おう、こう言おうと、自分が話すことばかりを考
えてしまいます。


営業パーソンの執拗な説得によって、お客様が商品を購入したとしても、
「何かうまく買わされた」
とか、
「本当はあまり買う気がなかったのに、あまりにしつこいので仕方なし
に買ってしまった」
とか思われるようでは、後味の悪いものが残ります。


よく見かける光景として、お客様に商品を買って頂こうと営業パーソン
が一生懸命説明している時に、お客様が下を向いて貝のように口を結ん
でいることがあります。


お客様が営業パーソンの話を面と向かって聴かず、拒否している心理状
態を心理学でリアクタンス(心理的反発)といいます。


いったんリアクタンスが起きると、お客様の頭の中は、営業パーソンを
否定的なスタンスで観ることに洗脳されるため、買わない言い訳ばかり
を考えてしまいます。


そうなれば営業パーソンがいくら熱弁を振るって説明しても、火にあぶ
らを注ぐようなものです。いったんリアクタンスが生じると容易に解消
させることはできません。


お客様にリアクタンスを生じさせないためには、お客様の方からしゃべっ
て頂くことです。


人は自分の言うことに一番納得するものです。いったん、
「これいいですね」
という言葉を発すると、肯定的な方向に頭が洗脳され、物事をよく観よう
とする傾向が生じます。


人が自ら言葉を発することによって説得されることを自己説得といいます。


自己説得が起こると、お客様は本当に納得して商品を購入されますから、
後々トラブルが発生することはありませんし、営業パーソンとの良好な関
係が続くものです。


逆に、他人に説得されることを他者説得といいます。


他者説得の場合、何か命令されたり強制されたりするような感覚を持ちや
すくなります。人はそのような感覚を持つと、自分が尊重されていない気
持ちになり、その結果、相手の命令をはねつけて反射的に反発したくなる
のです。


他者説得によって、商品を買ったとしても、後になってトラブルが発生し
たり、営業パーソンとの関係が1回きりになったりしてしまいます。


セールストークでは、他者説得だけに頼るのではなく、自己説得とうまく
組み合わせて使うことがポイントです。


次に、自己説得をうまく組み合わせる質問テクニックを紹介します。


1.お客様に当事者意識を持って頂く

営業パーソンがいくら熱心に商品の性能や特徴を説明しても、お客様は自
分に必要なものだと思わない限り、商品に興味を持って頂けません。

例えば、
「お客様のように5人家族ぐらいになりますと、このぐらいの金額の保険
 をかけておられるのが通常です」
このように説明されると、
「言われなくても金額が多い方がいいのはわかっているよ!」
と言いたくなります。

このような時には、次のような質問をして、お客様に当事者意識を持って
頂きましょう。
「もし、お客様が病気で入院されたら、ご家族で困る方はいらっしゃいま
 すか?」
この質問によって、お客様が誰が困るだろうとその時の状況をイメージさ
れるようになれば、当事者として真剣に検討されるようになります。


2.購入にふみきれない不安要因を丁寧に解消する

お客様が商品の必要性を感じても、なかなか購入の決定を下せないことが
あります。この時、しびれを切らせて、
「お客様、思い切って決断しましょうよ」
などど言ってしまうと、リアクタンスが生じてしまうことがあります。


お客様が購入の決断ができない心理的な不安要因を明らかにし、丁寧にそ
れを解消しましょう。


営業パーソンの真摯な対応が信頼を与え、お客様の購入につながるのです。

お客様が、購入にふみ切れない時には、素直に次のような質問を投げかけ
てみてはいかがでしょうか。

「何かまだ不安をお持ちなようですが、よろしければお伺いできないでし
 ょうか?」

お客様の話に対して、営業パーソンが誠実に対応すれば、お客様は心を開
いて頂けます。

 

 

 

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お客様の心をつかむ販売力の強化法
31.セールストークのコミュニケーションサイクル

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 営業パーソンが他者説得に一生懸命になり過ぎると、お客様の心にはリ

アクタンス(心理的反発)が発生します。

 

 

いきなり商品の説明をするのではなく、正しい手順に従ってセールスト

ークを行わなければなりません。下の図は、セールストークの基本的な

コミュニケーションサイクルを示したものです。そのサイクルをしっか

り理解することが大切です。

 

 

(セールストークのコミュニケーションサイクル)

 

共鳴 → 話題の掘り下げ → ニーズ確認 → 提案 → 自己説得  

 

 

1.共鳴の場をつくる

 

まず、お客様と気持ちが共鳴し合う場をつくらなければなりません。お

互いの気持ちが共鳴し合えば一体感が生まれ、お客様は心を開いて下さ

います。

 

そのためには、営業パーソンが一方的にしゃべるのではなく、まず、お

客様に話をして頂かなければなりません。

 

 

共鳴の場をつくるテクニックとしてアイス・ブレーキングとアクティブ

リスニング法(積極的傾聴法)があります。

 

*アイス・ブレーキング

アイス・ブレーキングとは、固まった氷を溶かすことを意味します。会

ってすぐには、お客様は心を開いて頂けません。まず、緊張ある雰囲気

を和らげることが必要です。

 

そのためには、簡単なあいさつから入るのがいいでしょう。

 

あいさつのテクニックとして、「キドニタチカケセシ衣食住」を知って

いると便利です。

 

キ:季節

ド:道楽

ニ:ニュース

タ:旅

チ:知人

カ:家族

ケ:健康

セ:セックス

シ:趣味

衣:衣服

食:食べ物

住:住宅

 

営業パーソンは、まず上の話題から入っていけば、話をスムーズに進

めることができます。

 

 

*アクティブ・リスニング(積極的傾聴法)

アクティブ・リスニングとは、相手が話し易い環境をつくることを目

的とした、話を聴くためのテクニックです。

 

「興味を持って聴いていますよ」という気持ちや、「非常におもしろ

い話ですね」というシグナルを相手に送れば、相手は気持ちよく話が

できます。

 

ア.言葉で表現するアクティブ・リスニング

・あいづちを打つ

「なるほど」「そうですか」

・聴いたことを言い返す(オーム返し)

「それは〜ということですね」

・確認する

「それは〜という意味ですね」

・同意する

「確かにおっしゃる通りですね」

・要約・まとめる

「今の話は、一番大事なことですね」

 

イ.動作で表現するアクティブ・リスニング

・相手の目(あるいは目の周囲)を見る

・うなづく

・相手の話に集中している姿勢を示す

 

ウ.お客様が話をしている時に決してしてはならないこと

アクティブ・リスニングはお客様が気持ちよく話ができる環境をつくる

テクニックです。

 

従って、以下のようにお客様を不快にさせたり、威圧的な態度をとって

はいけません。

・お客様の話を途中でさえぎって、自分が言いたいことを話す

・お客様の視線から顔をそらす

・腕組みをする

・足を組む

 

 

2.話題を掘り下げる

お互いが共鳴し合えれば、お客様の関心事について話題を掘り下げても

リアクタンスは生じません。

 

この段階では、お客様のニーズや困り事を聞きだせるかどうかがポイン

トです。

 

 

3.お客様のニーズを確認する

お客様のニーズや困り事が聴ければ、そこから本当のニーズがどこにあ

るのかを見極め、確認します。

 

 

4.提案を行う

この段階までくれば、お客様は営業パーソンからの意見を受け入れる心

の準備が整っています。お客様に具体的な提案を行うのはこの段階にな

ってからです。

 

 

5.自己説得のための質問を行う

提案後は、それに対するお客様の意見を再び聞くということを忘れない

で下さい。お客様に自己説得をしてもらうためです。例えば、

「私の提案についてどう思われますか?」

と投げかけてください。